文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業は、我が国の高等教育の国際通用性、ひいては国際競争力強化の実現を目指すもので、九州大学は2014(平成26)年度にタイプA(トップ型)に採択されました。
本学の基本理念、「自律的に改革を続け、教育の質を国際的に保証するとともに、常に未来の課題に挑戦する活力に満ちた最高水準の研究教育拠点となる」をもとに、「戦略的改革で未来へ進化するトップグローバル研究教育拠点創成(SHARE-Q)」構想で本事業に取り組んでいます。
本事業を通してこれまでに、教育国際化、研究国際化、ガバナンス改革、そしてレピュテーションマネジメント(国際広報活動)に関する様々な活動を行ってまいりました。
教育関連では2018(平成30)年4月に「共創学部」を新設し、外国語運用能力や対応力を重視した教育や海外留学の必須化などの新しい取り組みで多様性や国際性を深めています。研究関連では、多様な研究活動の学際融合・強化発展を図る全学組織として、2016(平成28)年10月に「エネルギー研究教育機構」を、2019(平成31)年4月に「アジア・オセアニア研究教育機構」を創設しました。またガバナンス改革においては、次世代をリードする研究者の確保・育成を目的とした持続的人材育成プラン「九州大学ルネッサンスプロジェクト」を2018(平成30)年度に開始しました。更にレピュテーションマネジメントでは2018(平成30)年9月に「第4回世界社会科学フォーラム(WSSF)」をアジアで初めて福岡で開催し、2019(令和元)年11月には「QS- APPLE2019」を日本で初めて主催し、本学の国際的評価を向上させました。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、社会経済活動、日常の生活様式、国内外への移動などに甚大な影響を与え、世界を一変させました。その影響は大学にも大きく及び、対面授業に代わるオンライン授業の導入、国境を超える移動制限による留学の中止など、各国が共通した問題に直面しています。本学では新型コロナウイルス感染症との共存やその爆発的な蔓延を乗り越えたwith & beyond コロナ時代を見据えて、対面とオンライン授業を組み合わせたハイブリッド型授業の実施や、同窓生や海外オフィスを活用した留学生のリクルーティングなどの対策を取りながら、SHARE-Q構想の実施に力を尽くします。
九州大学総長
石橋 達朗
九州大学のスーパーグローバル大学創成支援(SGU)事業は「戦略的改革で未来へ進化するトップグローバル研究・教育拠点創成」を構想名としています。この英語名“Strategic Hub Area for top-global Research and Education, Kyushu University”の頭文字をとって、本学のSGUをSHARE-Qと名付けています。そこでは3つの柱をグローバル化戦略のコアとしています。第一は本学の学術分野の多様性を活かした国際連携(多面性)、第二はこれまでのアジア戦略の成果に立脚した世界展開(発展性)、第三は研究型総合大学として学部-大学院を通じた教員の層の厚さ(重層性)です。
本学は研究の国際化・教育の国際化・ガバナンス改革をSHARE-Qで涵養し、さらなる取り組みへと進めていきます。 研究・教育活動を世界に戦略的に発信するレピュテーション・マネジメントにも力を注ぎ、その結果として、様々なシェアが相乗的共創効果を生み出すグローバルハブキャンパスを形成することを目指します。
国際社会における研究と教育の拠点を目指して積極的な戦略的改革を行い、ポスト・コロナの社会貢献も視野に国際都市・福岡で進化を続ける「世界の九州大学」にご期待ください。
九州大学 副学長
(スーパーグローバル担当)
原田 明